絆の音は誰も知らない

誰かの言う絆は
自分の感じる絆じゃない

音にして声を出しても
それは「ぽいもの」

音にならない
形に出来ない

だけれども

延々と
脈打つ

心拍と共に
全身へと
広がる
感覚

それは
自らも
聞くことのない音を

ずっと
ずぅっと
奏でている

何を見る

夢を見るってなんだろう

マブタの裏とか
ココロの中とか
ノウサイボウノのミトコンドリアとか
想うとか
描くとか

空想
想像

妄想

誰かが科学的な解釈を付けたがる
だけど
人の夢は

遥か先に
息づいている

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らせん

心（シン）より押し出されるは
記憶と記録と
今の最先端の理をもつ

らせんの

熱

今あるこの血肉は
全ての過去よりきたりて

この先の血肉となり

愛おしい人の
血肉となりゆく

トクトクと

時にうねり
時に穏やかに

こうして

らせんの持つ全てが

まだ見ぬ形を成してゆく
 

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慈

この世の命を
慈しみ

君は
まるで
全てを抱くように
柔らかで
あたたかい


いくつもの
儚きものは
今
真綿の中に

君は

抱く
人であり
優しき
人である

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大地と成層圏の間

上はどこまで見えるのか
下はどこまで見えるのか

僕らは間でもがき
憂い
それから
笑ったりする

上を見れば
陽も月もまあるいと知る
下を見れば
我が身を育む
糧があると知る

たまには
瞳を覆う
曇りと鱗を
ちょっとしょっぱい涙で
洗い流して

時々
目を閉じて
瞳に
映し出されることのない
存在達を
抱こう

きっと
いつもと違う
空と
大地を
感じるからさ